スタッフインタビュー

         


全力で褒めて、真正面から叱る。そんな優しさのある環境。

つくば香風寮 セラピスト / 2017年入職

セラピストという仕事に興味を持ったのは、中学生のころの職場体験で教育センターの相談員さんと話したときです。もともと、人と話すのは苦手で人の話を聞くのは好きだった私が、「聞く仕事ってこういう仕事もあるんだな」と興味をもったことがきっかけでした。それから大学へ進学し、心理学を専攻。特に子どもの心理について学び、新卒で教育センターの相談員に就職をしました。そこでの仕事で、施設に入所している児童と話した際に、もっと多くの悩みを抱えた子ども達の役に立ちたいと思い、つくば香風寮に入職をしました。
入職して最初に感じたのは「外から見る印象と、中から見えるものはだいぶ違う」ということ。児童養護施設は何らかの事情で保護者から離れて暮らす子どもたちの生活の場です。だからこそ、同情的な境遇の子どもたちに過剰なフォローをイメージしがちです。ですが、実際はまったく違います。子どもを1人の人間として認め、全力で褒めて真正面から叱る。これって普通に家庭的な環境ですよね?人と人の関わりなので、うまくいくことばかりではなく、やるせない気持ちになることもありますが、それが「子どもの成長」なんだと思うとこの仕事を選んで良かったな、と感じます。心理職として経験や考えの幅が広がるこの環境で、これからも子どもたちに寄り添っていきたいです。

子どもの本当の理解者であるために

内原深敬寮 児童指導員 / 2012年入職

私の母は子どもの施設で栄養士として働いており、幼い頃から児童福祉の仕事が身近にありました。だから福祉分野への進学はごく自然で、性格的にも子どもの気持ちに寄り添うことが得意な方だと思っていたんです。
実際に、子どもたちと同じ時間を共有してやりとりを重ねていくと、だんだんと関係性が築けるようになりました。私のアドバイスに対して、どんなに時間がかかっても必ず実践する子どもたちの姿を見た時は、成長を感じられて本当に嬉しかったです。
けれども、子どもの気持ちを理解すればするほど、厳しい寮のルールとの間で苦悩も生まれました。子どもの言い分もわかるので何か問題があっても指導ができず、それが過保護に繋がり、さらには他の子どもに影響が出てしまったのです。これは今でも強く反省しています。
子どもは一人ひとり生きてきた経緯が違います。だからこそ今では、担当職員同士が熱意を持ってなぜそのような行動をしてしまったのかを考え、その子にとって何が一番良いのかを協議することを大切にしています。子どもの気持ちに共感するのはもちろん、毅然として教え導くことが児童指導員としての役割であり、信頼される本当の理解者だと思っています。

子どもは自分の写し鏡

つくば香風寮 児童指導員 / 2019年入職

大学生の時からつくば香風寮でボランティアをしていました。その和やかな雰囲気と、子どもたちをこれからも見守りたいという想いから入職を決めました。もともとは教員志望だったので、家族はとても驚いていましたね。
最初の頃は、子どもたちとのやりとりも手探り状態。子どもの言葉一つひとつをそのまま受け止めて落ち込む毎日でした。ただ、子どもたちと日常生活を共にする中で気付いたのは、私には見せなくても他の職員には見せる素直さがあること。その穏やかな姿が本当の子どもたちで、私は普段の態度や言葉の根底にある気持ちがわからなかっただけなんです。
子どもたちと関わる上でもっと大切なのは、自分自身がどうあるべきか、ということでした。子どもは自分の写し鏡。自分の態度で子どもも変わるので、その時自分がどうだったのか見つめ直す姿勢が大切だと教えられました。
この1年間は周りの先輩にたくさん支えてもらい、子どもとの関係性の構築に全力を尽くすことができました。私が目指しているのは、子どもたちに「自分は愛されているんだ」と実感してもらえる関係性。いつも見てくれている人がいるという安心感が、子どもたちの原動力になると思うからです。

縁が繋いだ保育士という仕事

同仁東保育園 保育士 / 2016年入職

子どもと関わる仕事を目指したきっかけは、中学生の時に、妹の通っていた同仁会の学童クラブでボランティアをしたことです。パワフルな子どもたちと一緒に遊ぶのが本当に楽しくて、毎年参加していました。
大学を卒業後、他の幼稚園で勤務していた私に、お世話になった学童クラブの先生が声をかけてくださいました。自分が育った保育園でもあり、将来の夢を与えてくれた同仁会で働きたいという想いが強くなり、保育士として入職。その時の先生が、現在の同仁東保育園の園長でもあります。
過去に、男性の私が保育士を一生の仕事にできるのかどうかの葛藤もありました。そして、悩み抜いた末、「社会的に認めてもらえるのかどうかではなく、自分がやりたいのかどうかが一番大切」と決心し、この道を選びました。同仁会は職員全体がとても温かく、保護者の方々も子どもたちも親しみを持って声をかけてくれる明るい雰囲気の保育園です。後悔したことは一度もありません。
今は保育士としてのキャリアを経て、子どもの育ちへの責任をより感じています。一人ひとりの目線に立ってその成長に目を向け、自立性や社会性を学んでいけるような保育を目標に、信頼される優しい保育士になりたいと思っています。

職場の温かさと子どもたちの笑顔に支えられて

同仁会乳児院 保育士 / 2015年入職

小さな子どもが大好きで、小さい頃から抱いていた夢は、幼稚園や保育園の先生になることでした。新卒入職で臨海学園に5年勤務ののち、結婚を機に一度は退職。他の保育園で働いたりもしましたが、同仁会に戻りたい気持ちは強くなる一方でした。子育てが一段落した頃、この経験を活かしたい、今度は乳児院で働きたいという想いから復職を決意。10年ぶりに戻る不安は大きかったものの、本当に温かく迎え入れてもらい、ここに自分の居場所があるなと確信しました。
乳児院の仕事は「自分の子どもだったらこうする」というやり方だけでは通用しません。親代わりとしての要素も強い反面、常にお預かりしているお子さんだと意識しなければならないからです。大切なのは、どんな時でも子どもの行動には必ず理由があり、その「なぜ?」に寄り添うことだと思っています。
夜間帯は、多い時で20人の子どもたちを2人の職員でお世話したり、生まれたばかりの赤ちゃんもいたり、とても大変で責任のある仕事ですが、どんな時でも頑張れるのは、子どもたちの笑顔に支えられているから。最近では医療的・心理的なサポートが必要な子どもも増えているので、様々なケースに対応できるよう、スキルアップすることがこれからの課題です。

子どもたちと保護者にしっかりと寄り添う

同仁会子どもホーム 家庭支援専門相談員 / 2004年入職

この施設の良さは、子どもたちとの距離も近い家庭的な雰囲気。入所している全ての子どもをわかっていたいと強く願う私にとって、同仁会子どもホームは理想に近い場所でした。
家庭支援専門相談員は本来、保護者の方々と児童相談所との調整を主とする仕事です。とは言え、電話や家庭訪問などを行う上で、子どもたちの考えや想いを汲み取り、それを伝えていく必要性を感じており、現場の声をいかに集めて、子どもたちと保護者の方々との信頼関係を築くかを大切にしています。親子関係の再構築を図る支援ができた時には、特別な達成感がありますね。
しかし、子どもたちも保護者の方々も難しい課題を抱えているので、どうしても成果が出ない場合があります。だからこそ子どもたちが施設で頑張ろうとした時に、その環境が家庭的であるかどうかは重要です。家庭の代わりとして生活の土台が整っている安心感が、強さや自立に繋がっていくからです。
児童養護施設のソーシャルワーカーの役割とは、子どもたちと保護者の方々にしっかり寄り添うことだと思います。そのためには福祉についてはもちろん、社会の様々な物事に対して知見を増やすことが必須であり、誰にでも受け入れられる対人コミュニケーションスキルの向上が、私の目標です。

この子たちの存在を多くの人に知って欲しい

内原和敬寮 施設長 / 1990年入職

学生時代の実習で、親元から離れて暮らしている子どもたちの存在を初めて知りました。保育園や幼稚園、学校は子どもたちの生活の「一部」であるのに対して、この仕事は生活の「全般」に関わります。絶えず変化する毎日を一緒に乗り越え、経験を重ねていけることがこの仕事の魅力だと思います。
近年は発達障害や虐待等への理解が進んで、子どもたちを取り巻く環境も変わってきました。内面的な問題を抱える子どもが多いので、できるだけ子どもたちの話をよく聞いて、丁寧な関わり方を心掛けています。
しかし、子ども5.5人に対して職員1人が交代制で対応するという配置基準では、家庭のような環境とはほど遠い状況でもあります。施設としてそれ以上の職員配置をしていますが、日常生活をしながら子どもが納得するまで話を聞き、一人ひとりに合った支援を提供するのはとても難しく、同時に意義のあることだと感じています。
同仁会は、子どもたちの幸せと成長にとって何がいいのかを大切にし、常に模索し続けていきます。今後は、地域の子どもや家庭に関する相談、里親支援のほか、施設を退所したあとのアフターケア、就職支援等も充実させていき、施設の子どもたちがもっと認知され、生活しやすい社会を目指していきたいです。

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