同仁会児童家庭支援センター

         


検査ってナニ??? ~「なんで?」の答えを探す~BLOG

2020.12.27 |

こんにちは。

今日は心理士の仕事の1つである、「検査」についてです。

 

「何回言っても、分かっているはずなのに同じことをするのはなんで…?」

「なんで自分の意見や気持ちを説明できないんだろう…」

 

毎日の子育てに励む中、ふとそんな不安や悩みを感じたこと

ありませんか?

よくわからない…その「なんで?」に検査が役に立つことがあります。

 

“○○なはず” という誤解を解く

それは、

「〇〇はできるだろう」「〇〇なはず」という誤解が

「なんで?」という疑問に繋がっていることがあるからです。

言葉は理解できるので「わかるだろう」と思っていっぱい話すと、

実は「たくさん話されること」は苦手だったり…。

いっぱいおしゃべりするので「説明は得意だろう」と思っていたら、

実は「自分の気持ちを言うこと」は苦手だったり…。

検査では、こういった細かく見えづらい特徴に気付けることがあります。

 

見えづらい特徴に気付けたエピソード

 あくまで架空のエピソードですが、こうしたことはよくある1例です。

お母さんが「ここに入っちゃダメ」と何度言っても、言うことを聞かないので困っていました。

そこで検査を行ったところ、

耳で聞くよりも目で見る方が理解しやすいお子さんだということが分かってきました。

目で見たことの方が強く印象に残るので、その場でパッと目に見えた「お母さん」に近づいて行ってしまうようなのです。言われたことが理解できないわけではありませんでした。

さてさて、そこで楽しい対策です。

入ってはいけない場所の前に、足形のシールを貼りました。

「入っちゃダメ」を目で見えるようにしたのです。するとお子さんはちゃんと気付いて、足形のシールに自分の足を重ねてピタッ…。止まりました!

すかさずお母さんが褒めたことで、その子は必ずシールの場所で止まるようになりました。それからは、

お母さんも注意することが減り、お子さんは褒められる機会が増えて笑顔も増えました。

架空の例ではありますが、似たようなアドバイスで上手くいったことがあります。

 

 

「この子は〇〇だから」→「○○であるはず」という新たな誤解を生まないために

このような話をすると「検査は素晴らしい!」と聞こえてしまうかもしれませんが、危険なこともあります。検査を取ったことで「この子は〇〇だから」と新たな誤解が生まれることです。数値だけ見て「〇〇なはず」と決めつけてしまうと、また新たな「なんで?」を生んでしまうことも…。

 

そのため、「検査を取ってほしい」というご依頼をいただいた際には、

保護者の方とよく話し合って決めるようにしています。

「こころの検査」が良いのか「知能の検査」が良いのか

それとも「性格の検査」が良いか

あるいは「本当に検査が必要なのか」

などなど…。

私たちとご家族が一緒に話し合う中で、

検査を行わなくてもその子の特徴に合った関わりが見つかることもあります。

 

 

大切な事は「なんで」の答えを一緒に探すこと

検査は1つの方法ではありますが、大切な事は一緒に話し合っていく中で「なんで?」の答えを探すことです。

そんな中で、ご家族もお子さんも楽になれるようなアドバイスができたらと思っています。もしお悩みのことがございましたら、まずは相談していただけたらと思います。

 

 

 

心理士

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