同仁会児童家庭支援センター
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相談室の窓から ~童話に学ぶ子育ての1コマ~BLOG
2020.11.22 |
こんにちは!
さて、突然ですが
みなさんイソップ童話をご存知ですよね。
“アリとキリギリス”
“うさぎと亀”
“金の斧と銀の斧”
1度は聞いたことのあるお話が他にも沢山!
でもこのお話の1つ1つに、様々な教訓や道徳が示されているということをご存知でしょうか?
イソップ童話の歴史は中世ヨーロッパから古代ギリシャにまで遡るそうですが、
そのあたりはWikipediaにお任せするとして、今日はその中から“北風と太陽”のお話に触れます。
“ 北風と太陽 ”
ある日、北風と太陽はどちらが力があるかを競うことになりました。すると1人の旅人が目に入ります。
「あの男の上着を脱がした方が勝ちだ。」
「おもしろい。やろうじゃないか。」
こうして北風と太陽の力比べは始まります。
まずは北風が、強く冷たい風をビュウビュウと吹きつけます。しかし、旅人はその寒さにギュッと上着の襟を握り、飛ばされまいと体を強張らせます。北風はとうとう諦めてしまいます。ところが太陽はニコニコと暖かい陽を照りつけるだけ。しかしその燦燦と照り付ける陽の光に旅人は汗ばみ、自ら重い上着を脱いで川の水に飛び込みました。北風は旅人に涼しい風を送ってやり、かくしてこの勝負は太陽の勝ちとなったのです。
“ 寛容な態度は人を動かす ”
このお話には2つの教訓があります。
1つは“性急な結果を求めて拙速に行えば良い結果を得ない”。時間をかけて着実に行うことが最終的には大きな効果を得る、ということです。
もう1つは、“寛容な態度は人を動かす”。冷徹で懲罰的な態度は人を頑なにし、自ら動くことはない。温かで穏やかな態度が自覚的に動く人を生むのだ、ということです。
子育てに置き換えてみましょう
北風のような態度は子どもを強張らせてしまうし、その防御反応として別な行動を見せることもあります。吹き付ける北風と闘おうとする子どももいるでしょう。
一方、太陽のような態度は、一見甘いように見受けられるかもしれませんが、子どもにとっては実に安全な場所になります。そして成長に必要な大切なエネルギーを得ています。計算式に数字を入れるようにポンと結果は得られませんが、将来の自立のために大変大切で基本的な関わりといえます。
”北風”にならないために
人が北風のように冷徹で懲罰的な態度に陥るときは、その子ども一人ひとりにある“良さ”や“強み”が見えなくなっていたりします。あるいは、その子ども自身から目が離れてしまっていたりすると、途端に過剰な厳格さや冷徹さを生んでしまうことがあります。“他の子ならできる”“○歳だからわかる”というように。その結果、子どもはお話の中の旅人のようにギュッと体を強張らせて心を閉じてしまうでしょう。
では、太陽のような態度をとるにはどのようなことが必要でしょうか?その離れてしまった視点を自覚して、子どもが今何が出来ているのか、何が素敵なのかに着目するよう意識的に視点を変えてみましょう。“○○しかできない”ではなく“○○はできている”と見方を変えるのです。
そしてそれを言葉にしてみましょう。どんな小さなことでもいいのです。
「○○はできるんだよね。」って。そう言ってニッコリ笑った顔は、子どもの成長を支える大切な“太陽”になるはずです。
“ 寛容な態度は人を動かす ”
子育てにも、家族にも、社会にも。
※画像はフリー素材を使用しています(from 「無料写真素材 写真AC」)